

寒暖差の激しい日も心穏やかに。体調を崩さないための優しいヨガと習慣
変化しやすい季節、心身のバランスを整えるヒント
朝晩は肌寒く、日中は汗ばむほどの陽気。羽織るものに迷うような寒暖差の激しい日は、私たちの体は気づかないうちに大忙しです。まるで、室温を一定に保とうとエアコンがON/OFFを繰り返しているかのよう。こんな日は、なんとなく体が重く、疲れを感じやすいのはごく自然なことなのです。
私たちの体には、常に一定の状態を保とうとする性質(ホメオスタシス)があります。外気温が変化するたびに、自律神経系は体温を維持するため、せっせと働いています。血管を収縮させて熱が逃げるのを防いだり、拡張させて熱を放出しようとしたり。この過程で、普段よりも多くのエネルギーを使うため、私たちは疲れを感じやすくなるのです。今回は、移ろいやすい季節の中で、心身の軸を整え、快適に過ごすためのやさしいヨガと習慣をご紹介します。
変化に寄り添う、やさしい体への準備運動
なんとなく体が重く、だるさを感じる日は、カレンダーを見てみると寒暖差の大きい時期であることがよくあります。こんな日の運動は、激しい動きよりも、これから起こる変化に体が無理なく適応できるよう、やさしく体を起こすことに集中するのがおすすめです。自律神経系が急激な温度変化に驚かないよう、まずは穏やかな呼吸とともにスタートしましょう。
朝、目が覚めてもすぐに起き上がらず、まずは少しの間、寝たまま体の感覚に意識を向けてみましょう。一晩中こわばっていた筋肉を、一つひとつ丁寧に動かしてあげるだけで、その日のコンディションは大きく変わるはず。この時間は、単に体をほぐすだけでなく、「今日一日をどんな気持ちで過ごしたいか」と、自分自身にそっと問いかける大切な時間にもなります。
朝の10分、穏やかな目覚め
寒暖差の激しい日の朝は、体を急に動かすのではなく、まるで大切な扉をそっと開くように、ていねいに始めてみましょう。布団から出てマットに横たわり、穏やかな呼吸とともにゆっくりと体を覚ましていきます。
1. 仰向けでやさしいねじりのポーズ 仰向けに寝て両膝を立て、両腕は肩の高さで横に広げます。息を吐きながら、両膝をゆっくりと右側へ倒し、視線は膝と反対側の左に向けましょう。背骨一つひとつがやさしく伸びるのを感じます。無理に床に膝をつけようとしなくても大丈夫。心地よい呼吸を3〜5回繰り返したら、中央に戻り反対側も同様に行います。この動きは、一晩中こわばっていた背骨周りの筋肉を目覚めさせ、内臓を穏やかに刺激する助けになります。
2. 猫と牛のポーズ / マールジャーラーサナとビダーラーサナ 四つん這いになります。肩の真下に手首、股関節の真下に膝がくるようにセット。息を吸いながら、尾骨からゆっくりと天井に引き上げ、胸を開き、視線は斜め前方へ。これが牛のポーズです。息を吐きながら、尾骨から丸めるように背中を天井に押し上げ、視線はおへそへ。これが猫のポーズです。呼吸の流れに合わせて5〜7回ほど、なめらかに繰り返しましょう。背骨の柔軟性を高め、呼吸と動きを連動させる感覚を養うのに最適な動きです。
日中の活力をチャージする小休憩
お昼ごはんの後、なんだか体がだるく感じる午後の時間。少しだけ席を立って、体に新しい空気を吹き込みましょう。長い時間が取れない場合は、椅子に座ったまま、あるいは立ったままでできる簡単なストレッチだけでも十分です。縮こまっていた体をひととき伸ばしてあげるだけで、血行が促進され、午後の仕事にも集中しやすくなります。
1. 椅子に座って体側伸ばし 椅子に深く腰かけ、背筋をまっすぐに伸ばします。右手で椅子の側面を掴み、左腕を耳の横に長く伸ばして持ち上げます。息を吐きながら、ゆっくりと上半身を右側へ傾けましょう。左の体側が心地よく伸びるのを感じます。3回呼吸したら中央に戻り、反対側も同様に行います。この動作は、縮こまりがちな胸を開き、呼吸をより深くする助けとなります。
2. 首と肩の緊張をリリース 長時間同じ姿勢でモニターに向かっていると、首や肩に緊張が溜まりがちです。ゆっくりと首を左右に回したり、上下に動かしたりしてみましょう。また、肩を耳に向かってぐっと引き上げ、息を吐きながら「ストン」と力を抜いて落とす動きを数回繰り返すだけでも、ぐっと体が軽くなるのを感じられます。
一日を締めくくる、穏やかなリラックスタイム
一日の寒暖差を乗り越えてくれた体へ、心からの休息をプレゼントする時間です。夜は交感神経の働きを鎮め、副交感神経を優位にして、心身が深いリラックス状態に入れるような動きを取り入れましょう。ダイナミックなポーズよりも、呼吸に集中して、ゆったりとポーズに身を委ねる時間を十分に取ってみてください。
1. 壁に脚を上げるポーズ / ヴィパリータカラニ 最もシンプルでありながら、効果的なリラックスポーズの一つです。壁にお尻を近づけて仰向けになり、両脚を壁に沿って持ち上げます。両腕は体の横に楽に置くか、お腹の上にそっと乗せましょう。このポーズは、一日中重力で下へ向かいがちだった血液やリンパ液の循環を助け、脚のむくみや疲労を和らげるのに効果的です。目を閉じて5分から10分ほど、ただ身を委ねてみてください。
2. 仰向けの合せきのポーズ / スプタバッダコナーサナ マットに仰向けに寝て、足の裏を合わせ、膝を左右に自然に開きます。手はお腹の上に置くか、体の横に楽に置きましょう。骨盤や股関節周りの緊張を穏やかに解きほぐすポーズです。もし膝に違和感がある場合は、両膝の下にクッションやブランケットを挟んでも良いでしょう。深く心地よい呼吸を続けながら、体の重みが完全に床に預けられる感覚を味わってみてください。
毎日を健やかに過ごすための小さな習慣
ヨガの動きと併せて、いくつかの習慣を取り入れることで、移ろいやすい季節の中でも、安定した日常を健やかに送ることができるでしょう。
最も手軽なのは、温かい飲み物をこまめに摂ることです。体温に近い温度のものは、体の恒常性を保つ上で負担が少なく、新陳代謝をスムーズにする助けになります。また、薄手の衣類を重ね着するのも良い方法です。室内外の温度差に合わせて、さっと着たり脱いだりして体温を調節できます。動きやすいウェアの上に軽いカーディガンなどを羽織って、体が急激な温度変化にさらされないよう守ってあげてください。
何よりも大切なのは、自分の体の声に耳を傾けることです。特に疲れを感じる日は、無理に運動強度を上げるよりも、今回ご紹介したようなやさしい動きで体を労わる知恵が必要です。変化し続ける季節の中で、自分に合った動きを見つけ、心と体の揺るぎない心地よさを見つけていってくださいね。
自分を知る時間、自分のための動き Find Your Flow